ハラダタカシ(オンドマルトノ奏者)vs古波津監督対談#3
古: 赤城さんのパートには切ない要素が多かったですが、ハラダさんに作っていただいたパートはロマンティックな場面が多かったですね。意図したわけではなかったですが、それが結果的にとても良かったと思います。短い間に瞬時に盛上げつつ、楽曲として破綻しないのはすごい構成力のなせる業です。ハラダさんご自身の作曲活動の中では今回の曲たちは特殊な傾向にあるのですか?
ハラ: ロマンティックなのは曲ではなくて、演奏だと思いますよ。曲自体は符号であって、あまり意味深いものでもありません。演奏こそ音楽のロマンティコの源泉ですから。
古: その演奏者としての視点、発想というのは僕にはできないところで、とてもうらやましい部分です。ハラダさんの全体を通して気を使ったところ、難しかったところはどこでしょう?
ハラ: いやそれは録音ですよ(苦笑)。だって何十人ものプロが何日もかけてやる作業をたったひとりでやるのですよ。赤城さんの録音との整合性も考えるし、第一効率悪いしですねぇ。あははそれはともかく、きっといろいろな文化を背景に持つ人々がそれぞれに違った見方が出来る映画だと確信します。自分だけの思いいれでばっちりな映画、どうぞこのブログをご覧の皆様も是非自分だけのマリオネットを操ってくださいね。
古: ではハラダさんのお気に入りのシーンは?
ハラ: 映画の中ほど、ワルツを踊る二人のシーンの直後ですが、ふたつの大小の月に見える夜景が、少女の部屋の中の灯りにそれとなく移行する場面は本当に美しいです。
古: ハラダさん本当にありがとうございました。
次回はヘアーのNicoさんにお話を伺います。お楽しみに!
◆映画「マリオネット」の詳細はhttp://www.no-work.com/marionette/
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