大橋(メイク)vs古波津監督対談#3
古: 『マリオネット』では、素敵に見せるだけでなく、おとぎ話の雰囲気とか質感を大事に、という課題があったけどどうやってクリアしたのかな?
大: 実際にメイクをする段階になって、特に『抜き』を大切にしました。余計なものは削ぎ落とし、肌そのものの透明感と強さを出していこうと。質感は何かを加えたり創り込んでいくだけでなく、抜いていくことでも表現できるので、今回はそういった作りかたをしました。ただ単純に生っぽさが残り過ぎるとリアルに伝わりすぎてしまうのでぎりぎりのラインで攻めていきました。また、そうすることでヘアや衣裳とも上手く融合出来たのではと思います。
古: 今回は生っぽくなるのを一番敬遠してたので、その点実にプロフェッショナルなせめぎ合いをしたと思います。人間的だけど、生っぽくない、とてもいい質感に仕上がってるよね。
『マリオネット』は大橋さんの元々持っている世界観とクロスしてるところがあると思ったけど、どうでした?
大: そうですね、私自身の作品のコンセプトでもある“美しいけれどどこかズレている愛らしさ”がNICOちゃんの創り込んだヘアデザインと合わさることで表現されたように思います。とても刺激的でした。
また、デザインされたメイクを施すのではなく私の感じる自然な色やかたちを引き出して顔に向かえたことはとてもうれしい事でした。
細かいところはほとんど制約なく任せていただけたので私自身も楽しみながら物語に入っていくような贅沢な時間だったと思います。
古: 正直、口出しできないくらい微妙な世界だよね。肉眼で見ているのと、映像で見るのとでもまた違うし、これはお任せするしかないです。でも長い準備期間を一緒に考えてもらっていたので、安心してお任せできました。
次回は大橋さん最終回です。お楽しみに!
◆映画「マリオネット」の詳細はhttp://www.no-work.com/marionette/
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